これは、東工大に3年連続で挑んで、3年連続で落ちた僕の物語だ。
進路に迷うこの時期。
「浪人するべきか」「仮面浪人するか」「今の大学で頑張るか」──
きっと今、目の前に見えない霧が立ち込めているような不安の中にいるかもしれない。
でも、安心してほしい。僕もまったく同じ場所に立っていた。だからこそ、今日は君にリアルな言葉を届けたい。
【浪人】それは前半勝負の個人戦
浪人とは何か。
浪人それは、「来年こそ第一志望に受かるぞ!」と1年間勉強に集中する道。
予備校や独学で勉強して、もう一度受験に挑戦する自分の可能性に挑み続ける道だ。
僕は、駿台の御茶ノ水校に通っていた。浪人生活は、正直言って「メンタルとの戦い」だった。
浪人生には3つのタイプがいる。
-
毎日真面目に授業に出るタイプ
-
校舎には来るけど、自習室にこもるタイプ(←僕はこれ)
-
そもそも来なくなるタイプ(実は結構消えていく)
浪人で最も大切なのは、
3〜4月の爆発力(ここでどれだけ本気になれるかで、1年の流れが決まる)
毎朝起きること(これが本当に難しい)
スタプラで仲間を作る(これが後々きいてくる)
3〜4月の爆発力(ここでどれだけ本気になれるかで、1年の流れが決まる)
浪人期間は1年あると考えている人が多いが実際は5か月である。それも3月から8月末までである。正直言って9月以降は精神が壊れる危ない現象が週に2回は来るのでまず今のように集中して勉強はできない。そこで特に大事になってくるのがこの3月から4月までである。この期間は
図書館、予備校の自習室がすいている。
授業がないので毎日自分のやりたい科目のやりたい勉強ができる。
また「何か毎日勉強してるけど以外に浪人楽しくね」みたいな謎モチベがわいてきてウキウキで勉強できる。
つまり浪人期間において最強の時期である。ここで飛ばしておくのがまじで大事。優雅に卒業旅行のストーリー上げてる場合じゃない。
毎朝起きること(これが本当に難しい)
夜はどれだけでも起きていられるのに、朝はなぜこんなに重いのか。
寝起きで「あぁ、またこの日々か…」と絶望することもあった。自律神経が乱れ、うつの一歩手前のような感覚になる日もある。だからこそ、朝起きるのだ。
どんなにつらくても朝目が覚める。そしてすぐに布団から出る。これができるかどうかで本当にその日一日が変わる。
朝自分が起きるべきだと決めた時間に起きる。これこそが精神が壊れかけている浪人生の自己肯定感を上げる最大の方法なのだ。
スタプラで仲間を作る(これが後々きいてくる)
受験は団体戦であるといわれているが、実際自分の人生は自分で切り開いていくので個人戦である。特に浪人生は友人の全くいない予備校に行く人も多いだろう。ここで大事になってくるのが自分の身の回りの環境。もっと言えば仲間の存在だ。受験は個人戦といっておきながらずっと一人でいるとかなり危なくなってくる。ただでさえ精神不安定なのだからとどめを刺されて予備校に行く気も起きなくなり終わる。特に6月、梅雨の季節になるとこの即死コンボを食らう人が多く自習室が少しすいてくる。
そんなあなたにスタプラだ。
スタプラは自分の勉強時間を記録したり、同じ志望校を目指しているライバルと出会えるSNS機能付きの学習記録アプリである。
多くの予備校ではクラス分けがされており自分と似たレベルの人としか出会わない。
ただそれではいつの間にか周りのレベルに自分が合わせてしまいそれが逆に第一志望を譲る結果にもなりかねない。
そんなあなたにベンチマークを探すという意味でもぜひ活用してほしい。
ちなみに私は浪人してた時スタプラで勉強記録はほぼしたことがなくネタツイの場として使っていた。どう考えてもネタツイしないで勉強していたら受かっていたと考えると涙が止まらない。
【仮面浪人】二重生活の孤独と希望
仮面浪人とは何か
仮面浪人それは、「大学には通うけど、裏で再受験の準備をする」。
表向きは大学生、でも心の中では第一志望に挑み続ける道だ
後期で農工大に合格したとき、僕の心は真っ暗だった。
「ここは自分の居場所じゃない」──そんな感情が消えず、周囲の人ともどこか距離を置いてしまった。
転機は、5月の東工大の成績開示。
あと1点だった。その1点が、自分の人生を大きく狂わせた。でも、逆に言えば「あと1点」でここまで来れた。
そこから本気で考えた。
もう一度挑戦するか、それともこのまま受け入れるか。僕は仮面浪人という道を選んだ。
だけど、正直に言えば、本気になりきれなかった。
言い訳も、逃げも、全部自分が作っていた。
結果は不合格そして大学の成績も悲惨な結果に。
でも、それが僕をようやく目覚めさせた。
【大学生活】敗北の先にしか見えない景色がある
3度の不合格で、自分の限界を知った。
「もっとできると思ってた」なんて自信が、ボロボロに打ち砕かれた。
泣いて、メモ書きをして、本を読み漁った。ビジネス書、自己啓発書、あらゆる本を読んだ。
ただ、読むことでしか自分を支えられなかった。
「何をやってるんだろう」
「何者にもなれてない」
そんな自己嫌悪のループが、浪人のとき以上に襲ってきた。
でも、ここで一つの大切な問いに出会った。
「今の自分が、未来の自分に誇れるか?」
それが、すべての基準になった。
そんな時に次の第四の選択肢と出会った。
【第四の選択肢】すべてを捨ててタイへ
先週大学の友達が突然
「おれ、すべてを捨ててタイで修行してくると」
といい始めた。大学三年生の6月である。こいつまじか。4月からここまで数々のきつい実験や中間テストを潜り抜けてきたのにも関わらず、休学してまた来年もう一回やるのか。今の自分では考えられない発想であった。
でも違った。
おかしいのは自分の人生本気で生きずにただ社会のレールをたどってて生きている自分なのだと。
思えば自分にまっすぐに生きている人たちには大勢出会ってきていた。
大分大学医学部に入学するも休学し仮面浪人→日大医学部特待合格→プログラミングの会社設立
東北大医学部入学→2年間休学し本気で途上国を支援する活動がしたくて中退
現役で岐阜大看護→医学部に行きたくなって退学からの4浪→弁護士になりたくなって立命館法学部へ
通信制の大学に通いながらヒッチハイクでアメリカ大陸横断、中国一周
それなのに「そういう人もいるんだな」思考停止で受け流していた自分がそこにいた。
そこに気づいたとき本気で悔しかった。
なんでそんなに必死になれるんだよ。なんでそんなに人生本気で生きられるんだよ。
でも答えは明らかだった。
みんなどこかで自分の軸を見つけていた。
どんな人生を送りたいかを明確に意識していた。
みんな、どこかで「自分と本気で向き合う時間」を持っていた。
何も考えず生きていたのは自分なんだ。
【最後に】迷ってる君へ届けたい言葉
人生は、誰かに「この道を行け」と決められるものじゃない。
親でもない、先生でもない、友人でもない。
最後の最後に、自分を信じてくれるのは、自分しかいない。
そして、自分自身と真正面から向き合った人間だけが、本当に「生きる力」を持てる。
浪人でも仮面でも、現役でも、タイにいてもいい。
大事なのは、今の選択が未来の自分に誇れるかどうかだ。
もし、今日の君が迷っているなら。
深呼吸して、胸に手を当ててこう聞いてみてほしい。
「この選択をした自分を、5年後に誇れるか?」
その答えが、君の進むべき道を照らしてくれるはずだ。